「SYNESIS」100Gモデル、 米・フェルミ国立加速器研究所が採用
株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:五味 勝)は、100ギガビットイーサネット(以下100G)における全てのパケットの連続キャプチャ(捕捉・記録)を可能にした大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」が、2019年10月に米国の研究機関である“フェルミ国立加速器研究所”で採用されましたことをお知らせいたします。100Gネットワークのセキュリティ対策のために利用されます。
<背景>
フェルミ国立加速器研究所で運用されている通信ネットワークでは、同研究所が独自に開発したセキュリティツールを使ってマルウェアをはじめ多種多様な悪意のあるデータの侵入・潜伏を防いでいます。さらにキャプチャしたデータを、実環境と同じ条件で構築した試験用ネットワークでリプレイ(キャプチャしたデータを再生)し、セキュリティツールの機能開発や改善に役立てています。
しかしながら現状の機器では10Gbpsを超える速度のデータをキャプチャできず、今後運用が始まる100Gへの対応が必要なことから新しいパケットキャプチャ装置の導入が検討され、「SYNESIS」が採用されました。
<採用のポイント>
- 100Gbpsの通信速度に対応している点
ネットワークセキュリティ対策を継続して行っていくためには、どの速度のデータであっても記録し確認できることが不可欠であり、100Gbpsに対応しており、かつ日本以外でも納入実績のある「SYNESIS」が、同研究所の要望に応える製品として評価されました。
- キャプチャの際、パケットの取りこぼしが無い点
通信が高速になるほど、データをキャプチャする際に一部のパケットが捕捉および記録から漏れてしまうという取りこぼし発生の懸念が高まります。パケットの取りこぼしにより全データの記録ができない場合、研究所内のネットワークにおいてマルウェアやウイルスの潜伏の可能性を高めることになるため、取りこぼしの無い「SYNESIS」が高く評価されました。
- キャプチャとリプレイを一つのハードウェアで実現できる点
従来、同研究所ではデータのキャプチャとリプレイを別々の機器で行っていました。「SYNESIS」は、オプション機能である“PacketReplayer®”を追加することで両機能を一つのハードウェアで実現できるため、迅速で効率的な試験の実施と、保守・管理における手間削減に貢献できるとして評価されました。
<フェルミ国立加速器研究所とは>
フェルミ国立加速器研究所は、米国イリノイ州シカゴの郊外バタビアにある、1967年に設立された米国有数の素粒子物理学研究所です。同研究所では世界各国から集まった1,750名の科学者と技術者が、50カ国以上の国々と共同で日々研究を重ねています。米国エネルギー省に属し、シカゴ大学および93の大学からなるUniversities Research Association (URA)のパートナーシップであるFermi Research Alliance, LLC (FRA)が管理にあたっています。
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※採用機種(ラックマウント100Gモデル/SYS-100G-HPR2)の情報は詳細ページを参照ください。
※PacketReplayerについてはテクノロジーページを参照ください。